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50代が意識すべき '' Keep Going Forward '' の精神~山本晃弘氏インタビュー・前編~

ライフ
2020.03.18
50代が意識すべき '' Keep Going Forward '' の精神~山本晃弘氏インタビュー・前編~

がむしゃらに走り続けてきて、はたと立ち止まる。さて、この先自分はどんな人生を歩んでいくんだろう――。こう考える50代男性は多いのではないでしょうか。働き方はどうあるべきか。人生を一緒に歩いていける一生もののアイテムとは何か。

世のミドルエイジ男性に向け、スーツの着こなしや大人が持つべき良品の提案を続けてきた服飾ジャーナリストの山本晃弘(やまもと・てるひろ)さんのインタビューを前後編の2回にわたって、お届けします。

前編となる今回は、山本さん自身が50代を迎えて、仕事に対する意識の変化や心構えについてお聞きしました。

山本晃弘(やまもと・てるひろ)

服飾ジャーナリスト。1963年、岡山県生まれ。2019年に自らの「ヤマモトカンパニー」を設立し、代表を務めている。早稲田大学卒業後、「メンズクラブ」(婦人画報社、のちハースト婦人画報社)「GQジャパン」(コンデナスト・ジャパン)などを経て、2008年に「アエラスタイルマガジン」(朝日新聞出版)を創刊。現在は同誌エグゼクティブエディター兼ウェブ編集長。ファッションに関する編集や執筆の他、ビジネスマンや就活生にスーツの着こなしを指南する「服育」アドバイザーとしても活動中。単著に『仕事ができる人は、小さめのスーツを着ている。』(クロスメディア・パブリッシング)がある。

娘の一言で見つめ直した働く意義''Keep Going Forward''

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服飾ジャーナリストの山本晃弘(やまもと・てるひろ)さんは、大学卒業後、出版社に入社。以降、社員編集者として約30年間、メンズファッション誌の現場に携わってきました。ファッション業界で数々の功績を残してきた山本さんは、昨年に決断をします。

それは会社からの「独立」でした。30年に渡って会社員を続けた末での独立。決して小さな決断ではないでしょう。なぜ50代での独立の踏み切ったのか。山本さんは、こう話してくれました。

山本さん(以下:山本)「55歳で勤めていた出版社を退職し、個人事務所を立ちあげました。なぜ55歳だったのか。実は、このぐらいの歳になったら''次''に向けて準備をしようとずっと前から計画していたんです。

会社員として働いていれば、''定年退職''がやってきます。仮に60歳だとして、それ以降をどう過ごしていくのか。その選択は人によって様々でしょうが、私の場合は定年退職、60歳以降になってもずっと編集者を続けていきたかった。

あともう何年かしたら、会社という組織を離れ、1人で働かなきゃいけなくなる。ただ、60歳で突然そうなるよりも、助走期間を設けたうえで進んでいく期間を作りたい。だから、55歳での独立を選んだわけです。

会社の一員から自らの会社を設立へ。会社の看板に頼った働き方はできません。色んなことに挑戦しなきゃなりませんが、それをやるには60歳でのトライは少し遅いかな、と感じました」

山本さんは、2008年に編集長として「アエラスタイルマガジン」(朝日新聞出版)を創刊。男性ビジネスマン向けに、誠実で凛々しい、スーツスタイルの提案を続けてきました。10年あまりにわたって編集長として働いた末に独立。

現在も同誌ウェブ版の編集長を続けながら、様々なブランドでファッション関連のコンサルティングをし、書籍の執筆も手掛けています。ときには、ビジネスマンや就活生向けにスーツの着こなしセミナーも開くなど、その活動は編集長時代以上に幅を広げています。

独立して幅が広がった。これまで以上に仕事で求められるようになった――。けれども、独立直前は不安に駆られたこともあるようです。

――50代半ばで独立をされたわけですが、仕事に対する意識も変化しましたか?

山本「独立する直前でした。30年以上やってきた会社員を辞めるわけですし、きっと娘も心配するだろうなと思い、娘とこんなことを話しました。

『お父さんは会社を辞めます。けれども、当面はまとまった仕事もあるし、路頭に迷うことなんてないんだよ。十分やっていける』

正直、自分の中に一抹の不安もあったんでしょうね」

――娘さんからは後押しを? それとも反対を?

山本「娘からこう返されました。

『お父さんは55歳なんだから、そんなこともう考えなくていい。これからは誰かのためではなく、自分のやりたい仕事と人に感謝される仕事をやるべきなんじゃないの?』

目からウロコ。改めて、自分がなんのために働いているのかを考えさせられたんですね」

――50代で改めて考えた働く目的とはなんでしょうか?

山本「新卒で出版社に入社して以降、転職も経験しました。30年以上にわたって、編集者という技術を磨いてきましたが、これをなんのために使ったら自分はハッピーと感じられるのかと。

会社員時代も人を喜ばせるため、面白がってもらうために働いてきました。自分のやりたいことをやってはきましたが、どこかで『会社のため、家族のために働いているんだ』という意識があったかもしれません。

ところが独立すると、視界はシンプルになります。いま目の前にいる方とどう向き合うのか。そのうえで、相手にどれだけ満足してもらえるのか。改めてゼロに戻った心持ちでトライしてみようと思えました」

――なるほど。50代になると、子供も独り立ちして、改めて自身のキャリアや働く意義を考え直すいい機会になりますね。

山本「ある時計ブランドのキャッチコピーにこういうものがあります。

''Keep going forward''

壁にぶちあたっても前に向かい続ける。どんどんと新しいことにチャレンジしたい。50代になっても前進し続けたい。そうするために自分はどうあるべきか。それは''視界を閉じない''ことだと思うんですよ。視界が開けてさえいれば、前向きに歩いていけるんじゃないでしょうか。歩くことが楽しくなるのではないかと」

''えらい人''になっちゃいけない

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――経験を積み重ねていくと、自信も深めます。自分のやり方、価値観は、これで良いんだと。自分はこういう人間である。そういった考え方が、変わろうとすることを阻害するかもしれません。

山本「現実問題として、変わるのが難しくなってくる面もありますよね。けれども、50代だから''頭が凝り固まってくる''プライドが高くなってくる''というのは、案外と思いこみかもしれませんよ。

これまで積み上げてきたことをまっさらにする必要なんてありません。むしろそれは大切にした方が良くて、新しい価値観、新しい人に接するときの''姿勢''を改めて見直しましょう」

――50代になると社会で出会う人は自然と若い方が多くなります。

山本「その通りです。そのとき、''自分は年上だから''などの理由で尊大な姿勢でいたら、相手と良い関係を築けるでしょうか?

年が上とか下とか、性別がどうであるとか、肩書きがどうであるとか、そういったことをどこまで取り払ったうえで、相手と対話することができるか。そこが問われてくるんだと思います。

自分の仕事で考えると、どんな言葉を投げかけ、相手からどんなリアクションを引き出せるか。そこに、年齢や肩書や性別は関係ありません」

――それをやるうえで、どんなことに心がけていますか。

山本「''えらい人''になっちゃいけないと思うんですね。私は、40代前半でファッション誌の創刊編集長になりました。雑誌を創刊し、世の中に何かを問いかけるわけですから、そうなって当然というか、そうあるべきだったとは思うものの、あの頃の自分には''欲''がありました。その頃に作った誌面を今見ると恥ずかしいですね。ああ、力んでいるなぁと」

――40代といえば、働き盛りです。そういった時代も50代になると若く見えるものなのですね。

山本「いくつになってもそのようなものかもしれません。そのころ、仕事仲間からこう言われました。

『山本さん、えらい人になっちゃいけないよ。現場が固くなっちゃうからね。おもしろいものつくれなくなっちゃう』

そうかと思い、ずっと心がけてきたことがあります。できるだけフランクでチャーミングなおじさんでいよう、ということです。撮影の現場に出ていく。そのときに、いじられ役を率先して引き受けようじゃないかと。

若いフォトグラファーさん、モデルさん。若い人から、どんどんいじってもらう。話しかけやすいおじさん、編集長でいようじゃないかと。もちろん、締めないといけないときはしっかりと締めます」

――''えらい人''から率先して、親しみやすく闊達な仕事の環境を構築するんですね。

山本「人間って、1人ではなかなか変われませんよね。持っている知識、経験には限りがあります。変化するためのヒントはどこからくるのか。それは自分の外側――「他者」が持ってきてくれます。

他者との出会い、対話みたいなものが、自分を新しい場所に連れて行ってくれる。それが人生の醍醐味だと思うので、自分が意図せざるものと出会った方が面白いじゃないですか。

そういう機会を一つでも多く作り出すために、周りの方が話しかけやすい雰囲気をキープできるか。とても大事なポイントだと思います」

――山本さんは50代になり、''前進しつづける''''挑戦しつづける''ことを改めて決意した。さらに60歳以降の助走期間にあてている。

山本「あくまでも私自身の話ですが、もしかしたら多くの人にあてはまることかもしれません。私たちが20代の頃とは働き方や社会構造そのものも変わってきていますから」

後編では、山本さんが50代におすすめする''一生モノ''についてお聞きしたいと思います。

(インタビュー・文:岡本俊浩 人物撮影:YUKO CHIBA 編集:サムライト株式会社)

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