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火災保険の基礎知識

マネー
2018.06.20
火災保険の基礎知識

マンションの賃貸契約や、住宅取得のタイミングでほとんどすべての方が加入する火災保険が今回のテーマです。火災保険は、生命保険や自動車保険とならんで非常にメジャーな保険ですが、「火災保険」はどんなときにつかえますか?と質問すると、意外と答えられません。火災保険の補償対象は火災だけではなく、ややこしさもありますが、保険の内容をしっかり理解しなければ、お金を払って得ているはずの「安心」を本当の意味で感じることはできません。

くらしに身近な火災保険と地震保険についての基礎知識を解説していきます。


はじめに

火災保険は火災事故だけを補償する保険ではありません。

契約者が保有する住宅そのものの火災の損害はもちろん、その他の災害による損害、近隣宅への損害、盗難による損害、日常的なトラブルによる損害など、さまざまな範囲をカバーしています。

補償の範囲は建物、家財の2つに分割されていることが一般的で、建物、家財両方に保険をかけるのか、どちらか一方のみかを選択します(たとえば、「火災」「水災」については建物/家財の両方に保険をかけるが、「雪災」「雹災」については建物のみにするといった具合です)。

このため、ざっくりと「火事が起こったら火災保険をつかえばいい。」という認識でいると、本当に必要な補償を契約していないことに気づかなかったり、請求ができるのに請求を行わなかったりということが起こってしまいます。

本当の意味で「安心」を得るためには、しっかりと内容を理解し、維持していく必要があります。
そういうわけで、今号では「火災保険」について知っていきましょう。

代表的な補償範囲

まずはどんな補償があるのか代表的なものを見ていきましょう。
  • 火災への補償
    一般的に自損(不注意による失火等)、他損(近所の火災からの延焼等)問わず、火事が発生した場合に補償するものです。ガス漏れ事故などの「破裂・爆発」もこの補償に含まれることが多いです。
  • 風災への補償
    強風、台風、竜巻などの風により発生した損害を補償します。一般的には強風により屋根が破損した場合や、強風で何か硬いものが飛んできて窓ガラスが破損するようなケースが該当します。
  • 雹(ひょう)災への補償
    雹による損害が補償の対象です。一般的には風災同様に雹で屋根や窓ガラスが破損するようなケースが補償されます。
  • 雪災への補償
    大雪による損害が補償対象です。一般的には雪による建物の破損や雪崩による建物の倒壊などのケースが該当します。
  • 建物外部からの物体の落下、飛来、衝突への補償
    建物の外から物体が飛んできて建物が破損した場合などの損害を補償します。風災への補償と似ているところがありますが、この補償では、こどものキャッチボールによる窓の破損や、鳥類の換気扇への飛び込みなどによる故障が想定されるケースとなります。
  • 落雷への補償
    落雷による損害が補償の対象となります。落雷による火災以外にも落雷による電気系統の損害なども対象になることが多いです。
  • 盗難への補償
    強盗や窃盗による被害が補償の対象となります。この場合、特に家財が補償の対象になりますが、空き巣の侵入による建物の汚染や窓などの破損被害も対象になることが多いです。なお貴重品の被害については、契約時に別途事前申告が必要なことが多いです。
  • 水災への補償
    洪水や高潮、土砂崩れ等による被害が対象になります。浸水による床の張替えなどの水濡れと異なり、主に外部の水の浸入による被害が補償の対象です。
  • 水濡れへの補償
    建物内外の給排水設備、主には台所、水道、風呂などの生活水などが過剰にあふれたことにより、発生した損害が補償の対象になります。
  • 騒擾(そうじょう)、労働争議に伴う暴力・破壊行為への補償
    暴力的なデモ、暴走行為などの熱狂的に興奮した団体による破壊行為などによる損害を補償します。

多くの火災保険において、これらのリスクは基本補償として整理され、何をどれくらい補償するかの組み合わせによってプランが構成されます。

*上記補償の有無、および細かな条件、保険金支払事例などは契約中、もしくは契約を検討される各保険会社にお問い合わせください。

オプションの補償の代表例

そのほかにも、以下のような基本補償に当てはまらないリスクがあり、それに対応する補償が各社で商品化されています。
  • 類焼損害/失火見舞金
    自宅の失火により、近隣に延焼(類焼)が発生した際の補償です。失火法という法律上は、よほどの重過失・故意でない限り近隣被害への損害賠償は不要となってはいますが、隣人に何のケアもなしではトラブルにつながりかねません。そこで、この補償があり、近隣住民が加入している保険で補償しきれない部分の実損、賠償、見舞金などをカバーできるようになっています。一般的なオプションです。
  • 個人賠償
    火災をはじめとする自然災害とは関係なく、個人の賠償責任を補償するオプションです。建物や家財といった分類もなく、たとえば子どもがよそのお子さんに怪我をさせてしまい、損害賠償が発生した際などに補償してくれるものです(この補償は単体での保険商品もありますし、自動車保険などでカバーしてくれる部分もあるので、他の保険との重複部分については確認が必要です)。
  • 臨時費用
    火災の発生後は修復、建て替え、もしくは新たな住居を見つけるまでにさまざまな費用が発生します。それまでの諸費用をまかなうためのオプションです。仮住まい、ホテルへの宿泊など用途は自由なことが多く、火災保険全体の補償金額に応じて一定金額が支払われます。
  • 残存物片付け
    火災やその他自然災害により敷地内に多量の廃棄物(残存物)が発生した際、撤去するための費用を補償するオプションです。
  • ドアロックの交換費用
    強盗・窃盗犯の侵入やストーカー行為によるドアロックの破壊や鍵の紛失にともなう、鍵交換費用を補償するオプションです。
  • 携行品補償
    外出時の携行品の紛失などを補償します。カメラを持ち出して、外出先で壊してしまったケースなどが補償の対象になります。個人賠償と同様、建物や家財にはあまり関係がないオプションです。「家財」を携行しているたてつけでの補償になりますので、補償範囲に家財を選択しておく必要があることが多いです。(スマホやPCなど対象外となるものもありますので、このような特約付帯の際は保険約款を良く読んでおくことをおすすめします)
  • 水周りのトラブル補償
    トイレの蛇口の故障など、生活における各種トラブルに対処する費用を補償するオプションです。
上記補償の有無、および細かな条件、保険金支払事例などは契約中、もしくは契約を検討される各保険会社にお問い合わせください。

火災保険の保険料は何をベースに決めているの?

ここまでは、火災保険における基本補償やオプション補償(特約)について解説してきましたが、補償範囲を広げたり、特約を付帯したりすることで、保険料は上がってしまいます。そもそも、保険料は何をベースに決めているのでしょうか?
つづいては火災保険におけるリスク細分の要件、すなわち保険料の決め手について解説していきます。

大きくは耐火性能(耐震性能)と面積

火災保険料は上記のどの補償を受けるかということ以外に、建物の種類、構造、面積、もしくは購入価額等によって保険料(ベースとなる保険料、および各種割引)が変わることが一般的です。
以下のような項目において、保険加入時に告知した補償対象となる建物、家財について保険会社が再調達価額(時価)を設定し、補償金額として設定できる範囲が決まります。

■ 建物の種類

大きくはマンション、一戸建ての2種類があります。

■ 構造

火災保険は耐火構造、地震保険は耐震構造という基準があります。

耐火構造

耐火構造は2010年以降の保険始期契約ではM構造、T構造、H構造などの項目がありますが、M構造はマンション、T構造は耐火(鉄骨造など)、H構造は非耐火(木造住宅など)となります。 ただし、木造だからH構造かというわけではなく、木造でも耐火能力に優れた準耐火構造・省令準耐火構造などの場合は、T構造として分類されます。

耐震構造

耐震構造は耐震等級が1~3まであります。この等級がついていなくても、建築年や耐震診断の結果によって、保険料が変わってきます。耐震構造にかかわる分はベースの保険料からの割引になりますので、複数の割引条件が同時に存在する場合は、もっとも割引率の高い条件が適用されることになります。

■ 面積/主要構造部材

のべ床面積、主要構造部や外壁・屋根等につかわれている部材(鉄筋コンクリート、鉄骨、2×4、洋瓦など)です。建物の評価と直結する項目となるため、保険料決定のロジックにおいて非常に重要になります。

■ その他

その他、割引の対象となる条件として以下があります。保険会社によってさまざまなものがあり、個性が出ます。

割引条件例.png
*上記補償の有無、および細かな条件、保険金支払事例などは契約中、もしくは契約を検討される各保険会社にお問い合わせください。

地震保険における3つの理解しておきたいこと

ここまでで火災保険の保険料算出のポイントについてふれてきました。
ここからは自宅の保険の中でも特に保険料が高額になる地震保険について解説します。
火災保険を語るうえで、地震保険についての話題は欠かすことはできません。
通常の火災保険では、地震、噴火、およびこれに起因する津波などによる損害は補償することができません。これらの天災は予測が困難、かつ被害額が非常に大きくなることから、火災保険とは別にファンドを組み、国との連携によって成り立つものだからです。

地震保険についてくわしくは、以下3点をご覧ください。

地震保険は単独では加入することができない

地震保険は単独では加入することができません。
建物、家財について火災保険に加入した場合、それぞれに特約として地震保険に加入することができます。
ここで注意しておきたいのは保険期間です。地震保険の保険期間は火災保険の保険期間とは必ずしも一致しません。
地震保険の期間は最長5年間です。
たとえば住宅取得時に火災保険を10年間一括で加入しても、地震保険については5年ごとの更新が必要になります。
火災保険ほど長い期間にはなりません。

安定感のある制度運用

地震保険の制度は、国と民間の損害保険会社が共同で運営しています。
国中を巻き込む大規模地震の場合、被害額が尋常では済みません。このため、民間の保険会社のみでは制度が維持できないため、「地震保険法」という法律に基づいた制度となっています。
あまり気にすることはないと思いますが、それだけ安定感のある地盤の中で運営されているということを知っておくと、少し安心につながりますね。

地震保険における補償上限

通常の地震保険では火災保険の保険金額の30~50%の金額までしか補償されません(さらに建物5,000万、家財1,000万円までと、それぞれに上限があります)。

地震保険は被害者の生活再建のための補償と位置づけられており、建物などの再取得を目的としていません。このため、30~50%の間で上限を設定する仕組みになっています。
ただ、現在では保険料の上乗せによって、補償額を100%にすることができる保険も一部の保険会社で誕生しています。

自然災害支援ローンのすすめ

地震保険50%の上乗せとして、保険をつかう以外の方法もあります。
おすすめしたいのが、みずほ銀行の自然災害支援ローン 残高補償プランです。
自然災害支援ローンは、みずほ銀行の住宅ローンの一部(*1)に金利上乗せすることによって、建物が全損した場合、罹災日時点の建物ローン残高の50%相当額の債務が消滅(*2)するプランです。

(*1) みずほ銀行で新たにご契約される、みずほ住宅ローン、みずほ借り換え住宅ローン、みずほ買い替えローン、みずほネット住宅ローン、みずほネット借り換え住宅ローンのうち資金使途が、お客さまご本人居住用建物の取得(購入・建築・増改築)のみを対象とするものであること)。
(*2) 対象となる物件、およびその他の条件については以下をご確認ください。
自然災害支援ローン 残高補償プラン

自然災害支援ローン 残高補償プランは地震保険と異なり全損のみが対象になります。
なお、通常の地震保険では全損以外の被害(大半損、小半損、一部損)については以下の補償額が上限となりますのでご参考ください。 損壊比率.png 再調達価額の50%以上補償をしたい場合、地震保険の上乗せ特約で対応するのか、自然災害支援ローンのどちらを選んでも、ともにメリット、デメリットがあります。
ご興味のある方は、下記のページよりお問い合わせください。
また、自然災害ローンでは、自然災害について幅広く補償する約定返済プランもご用意しています。あわせてご確認ください。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
今回は火災保険の基礎知識というテーマで、「どんな補償があるのか。」「どんな要素が保険料を決めるうえでのポイントになるのか。」「地震保険で注意すべきポイントはなにか。」などをお話してきました。

大きな買物をするときや、大きなライフイベントに備えるときなど、多くの場面で保険は重要な存在になります。
また、保険自体も大きな買物です。
今回取り上げた火災保険以外にも、生命保険、医療保険、年金保険、自動車保険等暮らしの中には多くの保険があり、多くの方がその内容の把握に苦慮していらっしゃることでしょう。

住宅ローンの借り換えなどと同様、保険について定期的な見直しをすることは、「安心を更新する」うえで意義深いものになります。
この機会に現在の保険の補償内容等の見直しをしてはいかがでしょうか。

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