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退職金を運用して、老後資金をふやす方法

マネー
2018.03.16
退職金を運用して、老後資金をふやす方法

「公的年金だけでは老後に必要な生活資金をすべてカバーすることは難しい」と考えている方は多いのではないでしょうか。
豊かなセカンドライフを実現するには、計画的に老後の資金準備を行うことが大切です。そのために必要なことをあらかじめ学んでおくことで、ゆとりある老後の生活を手に入れましょう。

60歳で退職してから生涯必要になるお金

退職後の支出は、生活費や持ち家の有無、余暇の過ごし方、医療費などによって異なります。あえて目安をあげるとすると、老後に夫婦で日常生活を過ごすために必要な資金が毎月約27万6,000円(総務省「家計調査年報」/2015年)、余暇を楽しむ費用を含んだゆとりある老後資金となると毎月約34万9,000円(生命保険文化センター「生活保障に関する調査/2016年度」)が必要になるというデータがあります。

多くの世帯では一般的に、退職後の収入は公的年金がメインになります。厚生労働省が標準的なモデル世帯として想定しているのは、平均的な男性賃金で40年間厚生年金に加入した夫と、40年間専業主婦をしていた妻。このモデル世帯の年金月額は約22万1,000円(2017年4月現在)だそうです。日常生活に必要な資金に対して毎月約5万5,000円、ゆとりある老後資金とくらべると約12万8,000円が不足する計算になります。

日本人の平均寿命は男性80.75歳、女性は86.99歳(厚生労働省:第22回生命表)ですから、ここから60歳を引いた年数分をかけることで、老後に必要なおおよそのお金を計算することができます。 また今後も日本人の平均寿命は延びていくことが予想されるため、60歳以降の期間を仮に約30年として日常生活で不足すると試算される約5万5,000円を毎月かけると、総額で約2,000万円が不足していることになります。また、ゆとりある老後資金に対しては、約4,608万円も不足していることになります。

この不足分を補ってくれる代表的なものが退職金です。経団連の調査(2016年9月)では、大学卒の総合職が60歳で退職した場合の退職金は約2,374万円、高校卒で約2047万円です。

余裕はありませんが、上記の退職金をもらうことで日常生活に必要なお金はほぼカバーできることになります。しかし、ゆとりある老後を過ごすためには大学卒の場合で約2,234万円、高校卒の場合でも約2,561万円が足りません。

いまからでも遅くない、老後のためにできること

できることとしては基本的につぎの三つが考えられます。

  1. 支出を減らす
  2. 収入をふやす
  3. お金をふやす

支出を減らすため、仮に毎月の生活費を5万円減らせられれば、25年で1,500万円近いお金を削減できることになります。
しかし、そのように生活費を切り詰めてしまうと、日々の生活に余裕がなくなってしまうかもしれません。
さらに現在、政府と日本銀行が2%のインフレターゲットを設定していることをふまえると、今後物価が上がっていく可能性があります。そうなると、生活費を減らしていくのはより難しくなるでしょう。

そのため、まずは保険の見直しや、クルマにかける費用の削減など、節約効果が大きく出そうなことから支出を減らす取り組みを行うといいかもしれません。
また、住宅ローンを繰り上げ返済して利息負担を減らしたり、健康維持に努めて医療費の負担軽減を図ったりするなど、現役のうちから支出を減らすためにできることを考えておくといいでしょう。

収入をふやすには、定年後に再就職したり、パートなどで働くといった手段が考えられます。不動産投資などもありますが、リスクがあります。
いずれにしても老後の生活にはまとまったお金が必要になるため、資金づくりには時間がほしいところです。なるべく早い段階から、老後の準備に取り組む必要があります。

退職金を運用して老後資金をふやそう

収支の改善だけで老後資金に不安がのこる場合は、お金をふやすこと(資産運用)にも目を向けてみましょう。具体的に、退職金をもらった段階でこのようにお金を目的別に分けてみてはいかがでしょうか。

  1. いつでも引き出せるお金(流動性資金)
  2. つかいみちが決まっているお金(使用予定資金)
  3. 安定的に運用するお金(確実性資金)
  4. 積極的に運用するお金(収益性資金)

1.いつでも引き出せるお金(流動性資金)

日常生活でつかうお金や突然の急な出費などに備えておくもので、半年分程度の生活費を目安にするとよいと思います。いつでも引き出せることが最優先であるため、この部分には収益性を求めず、元本保証※のある普通預金や定期預金などで預けましょう。
※利息つきの普通預金・定期預金等は、金融機関破綻時には預金保険制度により元本1,000万円までとその利息等が保護されます。

2.つかいみちが決まっているお金(使用予定資金)

住宅のリフォームやクルマの購入、子どもの結婚援助など、数年以内につかうことが決まっているお金については、使用予定資金として確保しておく必要があります。この部分はその使用時期に応じて、預け先を決めなくてはいけません。基本的には使用時期にあわせた定期預金や、安全性の高い債券などが選択肢として考えられます。

3.安定的に運用するお金(確実性資金)

運用するお金は、安全第一を考えて運用する部分(確実性資金)と、ある程度のリスクを許容しながら積極的に収益を求めて運用する部分(収益性資金)とに分けて考えましょう。

確実性資金は、元本割れのリスクをできるだけ抑えて、安定的にお金を運用していくというものです。将来的に流動性資金が不足してきた場合は、この確実性資金からあてていきます。そのため、できるだけお金を減らさないことが大切になります。

金利が高い時期であれば、スーパー定期や高格付けの社債などである程度の収益が得られたのですが、現在のようなマイナス金利が導入されている超低金利の環境では、リスクをとらずに運用しても収益を期待できません。そのため近年は、この確実性資金の運用が難しくなっているのですが、解決のためのヒントは日本よりも前にマイナス金利が導入されたスイスや欧州連合(EU)にあるように思います。

これらの地域では、マイナス金利が導入されてから、少しでも利回りを確保する手段として、機動的に資産配分を変更することでリスクコントロールを行い、低リスクの運用を目指すタイプのバランスファンドが人気になりました。日本国内においても、このような低リスクタイプのバランスファンドは少しずつひろがってきています。

4.積極的に運用するお金(収益性資金)

収益性資金はリスクがあることを前提に、積極的にリターンを求めて運用を行っていく部分です。
価格変動リスクや為替リスクなどを許容しながら、国内外の株式やREITなどの資産に投資をして収益性を求めていきます。ただし、あまりにも高い収益性を求めてしまうと、大きなリスクを抱えることにもつながりかねませんので、その点には注意が必要です。

以上のように、資産運用は計画的に行うことが大切なのですが、投資目的がはっきりしていなかったり、必要以上にリスクをとってしまっていたり、適切な資産配分ができていない人も見受けられます。
セカンドライフを幸せに暮らすために必要な金額を計算して、それに向けた目標収益率を決めてから、具体的な商品の検討に入ることが大切です。

また、成長性を重視して資金を投じ、インカム収入(株主配当や債券の利子収入など)を得ながら、時間をかけてじっくり育てていく長期投資のスタンスが基本となります。じっくりと育てていくことで、利息が元本に組み込まれ、時間が経つほどその利息が雪だるま式に積みあがって大きくなる「複利効果」をいかすことにもつながります。

しかし、その成長性を重視する「投資」においても、資産を高値のタイミングで購入してしまわないように注意をしなければいけません。そのため資産運用の経験が少ない方は、積立投資を活用するなどして、投資時期の分散(時間分散)を図るとよいでしょう。

みずほ銀行:投資信託 *投資信託のご注意事項 元本割れリスクや手数料等についてはこちらをご覧ください。
*上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

参考:
e-Stat | 政府統計の総合窓口
生活保障に関する調査 |公益財団法人 生命保険文化センター
平成29年度の年金額改定についてお知らせします | 厚生労働省
22回完全生命表(Press Relase) | 厚生労働省
2016年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果 | 日本経済団体連合会

(記事提供元:サムライト株式会社、画像提供元:Shutterstock,Inc)

専門家 久保 逸郎(クボ イツロウ)さん
大手リース会社の営業職としてファイナンスリース、自動車ローン・住宅ローンなどのローン商品の営業・与信業務に従事した後に、外資系保険会社を経て、2003年春にフィナンシャルプランナー(FP)として独立開業。「90歳まで安心のライフプラン」を合言葉にして、豊かな人生の実現に向けたライフプランづくりの支援を行う。


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