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50代にありがちなおかねの悩みと解決方法をプロに聞いてみた

マネー
2018.02.21
50代にありがちなおかねの悩みと解決方法をプロに聞いてみた

おかねに関する悩みが新たなフェーズに差し掛かる50代。しかし、退職金のつかい道や老後対策、資産運用など、どうすればよいのか分からないという方も多いようです。

そこで、テレビや雑誌などメディアでも活躍し、数多くの相談を受けてきたファイナンシャルプランナーの藤川太さんに、50代にありがちなおかねの悩みと、その解決方法について話を伺いました。

多くの50代が悩んでいるのは、資産運用方法

ズバリ、50代の方々から寄せられる相談で、もっとも多いのはどんな内容でしょうか。

「資産運用に関する相談がもっとも多いですね。すでに資産運用を始めている方は、自分の方法が正しいのかどうかを不安に思っているようです。また、まだ始めていない方は、投資の必要性を感じているものの、具体的にどうすればよいのか分からない、というケースが多いように思います」(藤川さん)

超低金利時代のいま、もはや預貯金の利息ではほとんど資産をふやせないことは誰もが知っていること。しかし、投資にはリスクがつきもの。理解せず始めてしまうと、失敗して逆に大切なおかねを減らしてしまう恐れもあるだけに、多くの方がどうすればよいのか悩んでいるようです。

投資信託を始めるなら「3割強の損失を許容できるか」を考える?

「3割強の損失を許容できるか」を考える?

では、資産運用に関して、プロはどのようなアドバイスを行っているのでしょうか。

「リーマンショックのような金融市場の暴落は、10年に1度程度のペースで訪れています。そして、その際に多くの人が3割強の損失を被っています。そのため、たとえば100万円を投資して、そのうちの30万円を失うことになっても許容できるかどうかを相談者にお聞きしています。仮に受け入れられないようであれば、資産全体の中で投資に回す比率を最小限にとどめ、最悪のケースでも1〜2割の損失にとどまるように調整することを提案します」(藤川さん)

また、手元にまとまったおかねがある方でも、あえて毎月数千〜数万円ずつ継続的に投入する積立投資から始める方法もあるのだそうです。

「投資というものは、経験を重ねるうちに理解していくものですし、どんどん興味がわくようになります。そこでおすすめなのが、まずは積立投資で投資に慣れていくこと。まとまった資金を一度に投じ、その途端に相場が頂点に達してしまうと、元も子もありません。相場のピークをいい当てるのはプロでも至難の業なので、積立投資によって資金投入のタイミングを分散することが資産運用のキホンです」(藤川さん)

資産状況は二極化傾向! 50代でも毎月がギリギリの生活という方も...

資産状況は二極化傾向!

また、「最近は相談者の資産状況が二極化している傾向がある」と藤川さん。それなりにおかねをためていて、もっとふやすために効率的な運用を探しているという方々がいる一方、毎月がギリギリの生活で蓄えがほとんどないという方も少なくないといいます。

貯蓄の必要性を感じてはいるものの、出費がかさんでその余裕がないというのは、精神的にもきついもの。家計の中で見直すべきポイントについても本人たちにはなかなかピンとこないようで、安直に夫の小遣いを削るという話になり、藤川さんの前で夫婦ゲンカを始めた相談者もいたとか。

出費がかさんでつらい......乗り切る方法が知りたい!

30〜40代の頃とくらべて給与収入がふえていたとしても、子どもの大学進学などで教育費の負担が重くなり、また、住宅ローンの支払いがのこっている場合も。

では、50代を乗り切るにはどうしたら良いのでしょうか?

「50代とは、人生においてもっとも出費がかさむ"つかいどき"の年代です。でも、子どもが学校を卒業して社会に出れば、教育費の負担がなくなるため、見違えるほど家計が楽になるご家庭が多いです。子どもの巣立ちや住宅ローンの完済時期など、自分の"つかいどき"がいつまでつづくのかをまずは確認しておきましょう」(藤川さん)

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「家計が苦しい→夫の小遣いをカット!」という発想は夫の労働意欲を減退させるだけで、むしろ逆効果です。それよりも、保険の見直しや携帯電話の料金プラン変更、電気会社やガス会社の乗り換えなどで、家計における「固定費(毎月コンスタントに発生する支出)」を減らしていくのが効果的だと藤川さんはアドバイスします。また、ボーナスで住宅ローンの繰り上げ返済を行ったり、金利の低いローンに借り換えたりするのも有効とのこと。

「そろそろ考えておかないと...」老後のためのおかねの準備も悩みの種に

「どうにか"つかいどき"を乗り越えて家計にゆとりが出てくる頃には、定年もそろそろ視界に入ってきているはず。ただ、前述のように二極化が進んでいる現在、老後破産というリスクを抱える方もいます。

総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-平成28年(2016年)平均結果速報-(2人以上の世帯)」によれば、2人以上の世帯の貯蓄の平均値である1,820万円を下回る方が、全体の約3分の2に達していて、しかも100万円未満というケースが突出して大多数を占めているようです」(藤川さん)

さらに、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの家庭)は、公的年金だけでの収入では毎月約5万5,000円も不足分が発生しているとか。仮に貯蓄がゼロのまま年金生活を迎えれば、いよいよ老後破産が現実味を帯びてきます。

一方、それなりに貯蓄がある方も、老後に向けた資産運用に関して悩みを抱えているようです。たとえば、「定年が近づいてきたので、もう投資は止めたほうがよいかも?」などと思い始める方も。

また、もうすぐ受け取ることになる退職金の運用についても迷われれいる方が多いようです。実際、藤川さんのところにも、老後のための資金づくりについて相談を持ちかける方がふえてきているそうです。

投資未経験で"退職金デビュー"はNG?

「現在、貯蓄がある人もない人も、50代の"つかいどき"を通過してから定年を迎えるまでの、絶好の"ためどき"を活用しましょう。老後の生活を意識して家計のスリム化(節約)を心掛けながら、あまったおかねを積立投資に回していくことが大切です。たとえば、iDeCo(個人型確定拠出年金)※1やNISA※2、つみたてNISA※3といった税制上の優遇を受けられる制度がおすすめです。

iDeCoは自分が負担した掛金の分だけその年の所得を控除できるので、所得税・住民税の負担が少なくなるうえ、運用で得られた利益にも税金がかかりません。しかも、老後に年金資産を受け取る際にも公的年金等控除や退職所得控除といった制度が利用できるため、税負担が軽減されます。

NISAは投資方法が積立には限定されていませんが、年間120万円までの運用で得られた利益がすべて非課税となります。また、つみたてNISAは2018年1月からスタートしたばかりの制度で、所定の投資信託に年間40万円まで積立投資を行って得られた利益については、同じく非課税になります」(藤川さん)

一方、退職金の運用に関して、藤川さんは「投資未経験だった方の退職金デビューは危険です。退職金を受け取る前にたとえば積立投資を始めるなど勉強しておきましょう」と注意を促します。退職金を受け取ってから、一度にまとめて投資するのではなく、投資のタイミングを分散するのが得策とのこと。

そして、最後に藤川さんはこうアドバイスします。
「いまや『人生100年時代』といわれていますし、長生きはすればするほどおかねがかかるわけですから、定年後にも運用をつづけることが常識になってきています。定年後も働くことについても、いまのうちから前向きに考えておきましょう。そうすることで、老後のためのおかねもふえるし、毎日の生活にハリが出てくるはずです」(藤川さん)


※1 iDeCo(個人型確定拠出年金):
掛金を積み立て、預金や投資信託など自分で選んだ商品で運用した後、原則60歳以降に年金または一時金で受け取る制度です。その運用成果によって、将来の受け取り額が決まります。
会社員の確定拠出年金とは?メリットや意義を再確認
みずほ銀行:個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)

※2 NISA
金融機関に投資収益が非課税となる口座を設定し、その口座で「公募株式投資信託」「上場株式」等に投資すると「配当所得」「譲渡所得」が非課税となる制度です。毎年120万円まで投資することが可能で、投資をはじめた年から5年間が非課税となります。
みずほ銀行:少額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」

※3 つみたてNISA:
金融機関でつみたてNISA口座を開設し、その口座で一定の要件を満たす公募株式投資信託や上場株式投資信託に投資限度額(年間40万円)の範囲内で積立投資をすると、配当所得・譲渡所得が非課税となる制度です。
みずほ銀行:つみたてNISAとは

*投資信託のご注意事項 元本割れリスクや手数料等についてはこちらをご覧ください。
*上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

藤川太さん
ファイナンシャルプランナー (CFP)認定者で宅地建物取引士。

山口県出身。93年に慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了し、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に携わった後に、ファイナンシャルプランナーの資格を取得して独立。2001年に「家計の見直し相談センター」を設立し、これまでに2万世帯を超える個人から相談を受けてきた。テレビや雑誌などにも頻繁に登場する人気ファイナンシャルプランナーで、「貯まる! 資産3倍手帳 (朝日新聞出版)」や「サラリーマンは2度破産する (朝日新聞出版) 」など、著書も多数。

(ライター:大西洋平、写真:八田政玄、Getty images)

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